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トラウマ・PTSD・愛着障害

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トラウマ・PTSD・愛着障害
トラウマ

トラウマとは英語で外傷(ケガ)という意味です。

ここでは、目に見える肉体的外傷ではなく、目に見えない心(精神)への傷について説明します。

現在、トラウマは、様々な種類に分類されています。

単回性トラウマ

一度だけ経験した出来事に対して受けた、強いショックや恐怖が心や身体に深く残ってしまう状態です。

例えば

  • 交通事故にあった
  • 大きな自然災害(地震、津波など)
  • 火事にあった
  • 突然の事件(暴力、目の前での死亡など)
  • 医療処置や手術での強い痛みや恐怖体験

など・・・

単回性トラウマは、原因がはっきりしていることが多く、適切なケアやサポートを受ける事で、時間の経過とともに回復しやすい傾向にあります。


PTSD(心的外傷後ストレス障害)

つらい出来事(トラウマ体験)のあとに、その体験が心や身体に強く残り、日常生活に支障が出てしまう状態のことです。

主な症状は以下の4つです。

  1. フラッシュバック(再体験)
    映像や感覚がリアルによみがえる。夢で見たり、突然その時の感情にに飲み込まれてパニックになります。
  2. 過覚醒(かかくせい)
    緊張状態が続き、いつもより音や光に敏感になったり、なかなか寝付けなかったり、落ち着かずイライラします。
  3. 回避
    トラウマになった出来事を思い出すのが怖くて、トラウマが起きた場所・人・感情を感じる事が怖くなり、無意識に避けることをします。
  4. 感情の変化・マヒ
    普段は感じない自責の念・無力感・悲しみ・怒りなどを強く感じたり、反対に、感情がマヒしてしまい、反応や感じる事が出来なくなります。
複雑性トラウマ

複雑性トラウマとは、単回性トラウマととは違い、長期間にわたり繰り返し心に傷を与える出来事によって生じるものを指します。

たとえば、幼少期からの虐待や家庭内暴力、いじめなどが典型例です。

複雑性トラウマでは、強い不安や抑うつだけでなく、自分に対する否定的な感情、人間関係の困難、慢性的な緊張や過敏さなどが見られやすいのが特徴です。

単なる一時的なストレス反応ではなく、心身に深く影響が残るため、専門的な支援や安全な環境での回復への取り組みが大切とされています。

愛着障害

愛着障害とは、子どもの頃に親や養育者との安定した関わりが築けなかったことから、大人になってからも人との関係づくりや感情のコントロールなどに問題や困難を抱えている状態です。

本来、安心できる養育環境の中で「愛着」が育まれることで、子どもは他者を信頼し、自分を大切に思えるようになります。

ですが、虐待やネグレクト、不安定な養育環境などがあると、安心感や信頼感が育ちにくくなり、人間関係で過度に依存したり、逆に極端に距離を取ったりする傾向が表れます。

大人になってからも不安定な対人関係や強い孤独感につながることがありどちらも共通しているのは幼少期の人間関係です。

複雑性トラウマも愛着障害も、子どもの頃に安全な人間関係が十分に経験できなかったことが背景にあり、症状も重なる点があります。