
IFS 内的家族療法

IFS 内的家族療法
安心感や安定感を育てる
IFS(内的家族システム)療法は、自分の心の中にあるさまざまな「部分(パーツ)」に注目する事で自己理解を深め、生きづらさを和らげる心理療法です。
私たちは誰でも「いろんな自分」を心の中に持っています。
しかし、過去のつらい体験やストレスによって、ある部分が強くなりすぎたり、逆に抑え込まれてしまったりすると、生きづらさにつながることがあります。
IFS療法では、心の中のパーツをそれぞれが大切な役割を持っていると考えます。
そして、安心して自分の心を見つめられるようにサポートしながら、抑圧されてきた気持ちやトラウマに優しく向き合っていきます。
IFSでは、人の心の中にはいくつものパーツが存在し、それぞれが役割を担っていると考えます。
自分を守るための心の中のパーツとは?
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マネージャー(管理者)
失敗や傷つきを避けるために、常に先回りしてコントロールしようとする部分です。完璧を求めたり、人間関係で距離を取らせたりして「安全を守ろう」と働きます。 -
ファイヤーファイター(消防士)
強い感情や痛みが出てきたときに、それを消し止めようとする部分です。衝動的な行動(過食、依存行動など)をとることもあり、一見問題に見えても本人を守るために働いています。 -
エグザイル(追放された部分)
過去のトラウマや傷つき体験を抱えて心の奥に閉じ込められている部分です。深い悲しみ、恥、恐怖などを持ち続けています。
これらのパーツはすべて「自分を守るため」に存在しており、IFSでは悪者扱いはしません
そして、中心にある セルフ(Self 本当の自分) が、安心感や思いやりをもってそれぞれのパーツに関わることで、心が癒されていくのが大きな特徴です。
IFS(内的家族システム)療法でいう「パーツ」と、 解離性同一性障害(多重人格)は、よく混同されやすいですが別のものです。
IFSでいう「パーツ」は、誰の心にも自然にある気持ちや性格の一部のことです。
「頑張らなきゃと思う自分」や「不安になる自分」など、ひとりの人の中で共存している心の声のようなものです。
一方、解離性同一性障害は、強いトラウマなどで心が分かれ、別々の人格が交代する病気です。
IFSのパーツは病気ではなく、心を理解しやすくするための考え方です。