null

双極性障害Ⅱ型(2型)

null
双極性障害Ⅱ型(2型)
双極性障害2型(Ⅱ型)

双極性障害Ⅱ型とは、「うつ状態」と「軽躁(けいそう)状態」の症状が繰り返しあらわれる心(精神)の状態です。

うつ状態のときは気分がひどく落ち込み、何も楽しめず、眠れなかったり、自分を責めたりすることがあります。

一方、軽躁状態ではテンションが上がって活動的になったり、よくしゃべったり、寝なくても平気なように感じたりします。

ご本人や周りの人は「少し元気すぎる」程度と受け止めやすいため、見過ごされやすく、うつの症状だけを見てうつと判断されることもあります。

双極性障害Ⅱ型とⅠ型の違い

双極性障害には「Ⅰ型(1型)」と「Ⅱ型(2型)」があり、どちらも気分の波が大きく変動する病気ですが、その特徴にははっきりした違いがあります。

1型(双極性障害Ⅰ型)は「躁状態」がはっきりと現れることが特徴です。

躁状態とは、気分が異常に高揚し、活動的になりすぎてしまう状態で、睡眠をほとんどとらずに動き続けたり、過度な買い物や投資をしたり、自分は特別な存在だと感じるなど、社会生活や仕事に重大な支障をきたすことがあります。

多くの場合、入院が必要になるほど症状が強く出ることもあります。

双極性障害Ⅱ型は「軽躁状態」と「うつ状態」を繰り返すタイプです。

軽躁状態は、気分が普段より高揚して活動的になるものの、Ⅰ型の躁状態ほど極端ではなく、入院が必要になることはまれです。

ただし、本人や周囲には「元気が出てきた」「調子が良い」と見えるため見過ごされやすいのが特徴です。

その一方で、Ⅱ型はうつ状態が長く、症状も強く出ることが多いため、しばしば「うつ病」と誤診されやすい傾向があります。

双極性障害Ⅱ型とうつの違い

双極性障害Ⅱ型とうつは特徴や経過に大きな違いがあります。

うつは、抑うつ気分(気分の落ち込み)や興味・喜びの喪失を中心に、意欲低下、強い疲労感、不眠や過眠、食欲変化、自責感、集中力低下などが少なくとも2週間以上続く状態です。

症状は主に「下がった気分」に限定され、気分が過度に上がる(軽躁)時期はありません。

双極性障害Ⅱ型は、うつ状態を繰り返す点ではうつ病と似ていますが、決定的な違いは、気分が過度に上がる「軽躁状態」が存在することです。

このように、うつ病は抑うつだけを繰り返すのに対し、双極性障害Ⅱ型は「うつ」と「軽躁」を繰り返すところが大きな違いです。